2013/12/26(木)ちょっとだけ

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に、

精度保証付き数値計算の必要性

を追加した。たまたま通常の数値計算ソフト(matlab)と精度保証付き数値計算の比較の図を作成する必要に迫られたのでちょっとした文章をつけてまとめてみた。

ほんとは「精度保証付き数値計算とは何ぞや」というもうちょっとちゃんとした文章が欲しいところだがなあ。

2013/12/03(火)kv-0.4 & ライブラリのデモ

kvライブラリを0.4にversion upした。
もう少し書き溜めてから上げようと思っていたけど、現状の例題の範囲では問題はないものの精度保証的に問題がありそうなバグが見つかったので、直したものを公開することに。

ついでに、まだ試作品だが、web上で精度保証を実行できるデモを作成したので、公開してみた。

KVライブラリのデモ

中間コードを生成するわけではなく、内部でC++コンパイラを呼び出すという無茶仕様なので、計算よりもコンパイルに時間がかかるのが問題。サーバをもう少し速いマシンに変えたい。大勢が使って負荷がどうなるのかとか、セキュリティ的にやばそうとかいろいろ気になるが、まあ暫定ということで。とりあえず全解探索と数値積分。ODEとか二重積分とかも暇があったら追加したい。

2013/11/04(月)丸めモードの変更

精度保証付き数値計算の基本は区間演算であり、区間演算は丸め誤差の影響を区間内に含むように、下限は下向き丸めで、上限は上向き丸めで計算する。これを行う最も基本的な方法はIEEE 754 Std.で規定された丸めモードの変更を用いる方法である。

丸めモードの変更に関しては気を付けなければいけないポイントが大変多く、講義なんかするときにもすぐに忘れそうになるので、IntelのCPUに関してまとめた資料を作ったので、ここにアップしておく。

roundingmode.pdf

なお、kvライブラリにおいては、この資料の7章にあるようにコンパイラに備わっているfesetroundまたは_controlfpを用いており、最速というわけではない。が、Intel以外のCPUを含む割と多くの環境で安定して動くというメリットもある。

IntelのCPUで64bitモードの場合に限って、KV_FASTROUNDというマクロを定義すると、Intrinsicを用い、プログラム起動時に予めレジスタ値を計算し丸め変更時には書き込むだけという速くなりそうな方法を使うようになる。FPUは使わないと仮定してSSE2の丸めモードしか変更しないし、MXCSRレジスタの丸めモード以外の部分の値を全くケアしないので、そのことによる副作用をよく理解した上で使う必要がある。

なお、プログラミング言語や環境によっては丸めモードの変更をしづらいこともあり、丸めモードの変更を行わずに精度保証する方法の研究も進んでいることを付記しておく。

2013/10/30(水)kv-0.3 & 今後やりたいこと

kvライブラリを0.3に上げた。

ライブラリ本体はpsa.hppの細かいbug fix程度であまり大きく変わってはいないが、
ドキュメントを区間演算、問題の記述方法を中心にいくらか加筆した。

このライブラリで要するに何が出来るのか、というデモとして、
web上で精度保証出来るような何かを作りたいという気がしている。しかし、現状では
問題を変える度に再コンパイルする必要がある。
という大きな問題点がある。式中の定数が変わったくらいならその必要はないが、
全く違う問題なら再コンパイルする必要があり、またテンプレートを多用している
せいで分割コンパイルできずコンパイルが非常に遅い。
このままだと、「解は0.1秒で精度保証できるがコンパイルに3秒」みたいになってしまい
それはかっこ悪い。

webで文字列として受け取った問題をparseして中間言語にコンパイルし、それを
高速に処理するような仕組みを作りたいが、めんどいなあ。
こういうのは手間がかかる割に研究業績にならないしなあ。

2013/09/30(月)kv-0.2

kvライブラリは早速何人かの学生が使い始めているが、
Visual Studio 2010のIDEを使っていると動かないという情報が入る。
試してみると確かに動かない。expで落ちる。文字列からdoubleへの変換の問題?
探ってみると、stringtod, stringtoddでのstd::stringの扱い方に
問題があり、indexが正しい範囲から外れることがある模様。
linuxやVC++のコマンドラインでは動いてしまうので気付かなかった。

大変かっこ悪いバグなので、0.2としてversion upすることにした。
ついでに、
  • conv-double.hpp (stringtod, dtostring)
  • conv-dd.hpp (stringtodd, ddtostring)
を別ファイルに分け、単体でも使えるようにした。
これらは、doubleまたはddと文字列との相互変換を丸めの方向指定付きで
行うもので、単体でも役に立つのではないかと思っている。

1.0までに完成度が上がりドキュメントも整備できるといいなあ。
OK キャンセル 確認 その他